2023.1.28松川事件学習会開会のあいさつ

2023.1.28  松川事件学習会での開会のあいさつ

 

 大変な寒波で、足元も悪い中、松川事件の学習会にお集まりいただきありがとうございます。

 松川事件が発生したのは、74年前の1949年8月17日早朝ですが、9月の末に、国鉄労働組合の組合幹部及び東芝関連の組合幹部ら20名が、全くの証拠もなく、無実の罪で逮捕され、福島地裁、仙台高裁では、死刑を含む判決が下されました。

 しかし、この裁判は、文学者・広津和郎さんをはじめとした国内外の広範な文化人、法律家、労働組合運動の力で、1959年8月、最高裁判決で、仙台高裁に破棄差戻されました。大きな役割を演じたのは、東芝の団体交渉の記録をした諏訪さんのメモです。いわゆる「諏訪メモ」です。これは、被告の方のアリバイを証明するもので、福島大学の松川資料室に大事に保管されています。差し戻された仙台高裁で、1961年8月8日、門田裁判長が全員無罪の判決を下しました。門田裁判長が保有していた資料も、福島大学の資料室に入っています。

 私個人は、仙台高裁の門田判決の時は、仙台の高校の2年生でしたが、大学1年の1963年9月12日に、全員無罪の最高裁判決が出されました。14年もの獄中での闘い、全国の支援の闘いの輝かしい成果です。今年の9月12日で、無罪確定60周年になります。

 

 この度、NPO松川運動記念会を中心に24名の方々が、記念事業実行委員会を構成し、準備をしていますが、松川の経験を学び、今なお、えん罪事件がなくならない状況の中で、改めて、松川を広げ、発展させていく必要があると思います。

 記念事業としては、9月30日から10月1日に、全国集会を開催することを決めています。記念講演、シンポジウム、資料特別展示会や文化行事を企画準備しています。

 今日の学習会は、松川事件無罪確定60周年記念事業を成功させるために、改めて、松川事件について学ぶ学習会ですが、皆さんのご協力で、記念事業の成功を勝ち取っていきましょう。