生活協同組合コープふくしま第23回通常総代会・理事長挨拶(2017.6.15)

 ご多忙な中、ご来賓の皆様には、第23回の通常総代会にご臨席をいただき、ありがとうございます。日頃のご支援・ご指導に対し、改めて、心から感謝申し上げます。
 また、コープふくしまを支えている19万人を超える組合員の皆さん、そしてその先頭に立って活動している総代の皆さんの日頃の活動に、心から敬意を表したいと思います。
 東日本大震災から6年3ヵ月が過ぎ、強制避難地域での避難解除が進められていますが、この6年余の経過を、個人の生活の回復の視点でみれば、どれだけの復興が進んでいるのか。大きな課題を積み残し、生活環境の回復が進んでいるとはいえないのが現状ではないでしょうか。東北被災3県の中でも、福島県の復興の格差を否定できません。
震災6年が経過した現段階でも、県外避難者約3万5800人を含んで6万人近い方々の避難が継続しています。震災関連死もこの1年でもその認定が91人増えて2144人と、津波地震等の直接死の1604人より540人も多くなっています。
こうした中で、全国の生協の仲間からの温かい支援をいただき、コープふくしまは持続的な前進をすることができました。また、JAさん等と協働して、福島応援隊として、福島の果樹・農産物の普及拡大のために努力してきましたが、地域経済の再生と、協同組合間の連携の活動として大きな意義を有するものと考えています。
先月5月23日、コープふくしまが、消費者庁が実施している「消費者支援功労者表彰」(内閣府特命担当大臣表彰)を受賞し、首相官邸での表彰式に出席してきました。そこで評価されている活動として、安全で安心な暮らしを目指し、食と環境の問題に取り組んでいる福島大豆の会の活動、また暮らしの助け合いの会の活動、仮設住宅でのサロン活動、原発事故に対しての放射能学習会、被ばく調査・食事調査、県産農産物を買い支える活動、全国の生協の被災地視察を受け入れる活動などが挙げられていますが、これを持続的に取り組んできた組合員活動に対する大きな評価と考えています。組合員皆さんのご尽力の成果と思います。
コープふくしまの組合員数は19万人を超し、80年を超えるコープふくしまの歴史の上で、最大の組合員数となっています。20万人組合員への第一歩を歩みはじめています。事業経営でも、この6年間で約30億円の当期剰余を達成しています。これは、全国からの支援とともに、組合員と職員の積極的な活動こそが、その原動力と考えています。
本総代会の大きな課題は、当面の諸活動の方針確立とともに、3生協、みやぎ生協、県南生協との組織合同について、来年の総代会に向けて、総代の皆さんはじめ組合員からのご意見をいただくことを提起したことです。東北地方における少子高齢化の進行、大震災からの復興も道半ばの現状に立って、生協としても事業の共同化と効率化なしには生き残れない状況にあります。3つの生協が県域を超えて力を合わせて「新しい生協」をつくることを提起しています。組合員の生活を守り、そのための協同を、いかに強化していくかという観点で、ぜひ積極的な討議をお願いします。
現在、国政は、国会のルールを無視して、憲法9条改正の問題、行動・内心の自由が危惧される共謀罪の問題など、私たちコープふくしまとしても、組合員の平和で、安心できる生活を守る観点から取り組んできた課題についての判断が問われていると思います。
今年5月、憲法施行70年を迎えましたが、長い間かけて積み重ねてきた、平和な生活、健康で文化的な生活の保障、まさに生協が追求し守ってきたものを失ってはならないと思います。戦前辿った道を繰り返してはならないと思います。
今日の総代会を契機に、団結して、コープふくしまの活動をさらに前進させる決意を新たにして、挨拶に代えさせて頂きます。ありがとうございました。