生活協同組合コープふくしま第21回通常総代会
(2015.6.18・福島グリーンパレス)
【理事長挨拶】
おはようございます。
第21回の通常総代会に際しまして、ご多忙な中、ご来賓の皆様のご臨席をいただき、ありがとうございます。日頃のご支援・ご指導に対し、改めて、心から感謝申し上げます。
また、コープふくしまを支えている18万6437人の組合員の皆さん、そしてその先頭に立って活動している総代の皆さんの日頃の活動に、心から敬意を表したいと思います。
東日本大震災から4年3ヵ月が過ぎました。東京電力の損害賠償打ち切りの動きがあり、また5年と設定されている復興集中期間の最終年に入り、政府の復興予算の削減、地方自治体への転嫁の動きが急ピッチに進んでいます。
しかし、この5年の経過で、どれだけの復興が進んでいるのか、福島においてはその困難さがますます明らかになっています。復興を、道路の開通や企業誘致のようなハードな側面としてのみとらえず、住民目線でとらえる、つまり人間の生活の回復として捉えると、行うべき課題が山積しています。
4年が経過した段階でも、県外避難者約4万7千人を含んで11万6千人以上の方々の避難が継続しています。仮設住宅は、阪神大震災の場合は4年11カ月ですべて閉鎖し、新潟中越地震の場合は3年2ヶ月で閉鎖していますが、福島の場合、現在でも3万1000戸の仮設住宅が継続しています。関連死も増えて1921人と、津波地震等の直接死の1604人より300人以上も多くなり、さらに増えています。
以前の普通の生活に戻して欲しいとの切実な要求は、いまだその実現は困難な状況が続いています。原発被災の過酷さを身に沁みて感じているからこそ、全国の原発の再稼働に厳しい目を向けてきたし、二度と私たちと同じ目に逢わせてはならないと考えてきました。
こうした中で、全国の生協の仲間からの温かい支援をいただき、コープふくしまは持続的な前進をすることができました。日生協およびコープおおいたさん等から持続的な支援をいただいていますが、先週、コープおきなわの皆さんが支援に来てくれました。米軍基地・辺野古の問題を抱えながら、全国の米軍基地の7割も集中しているなかで、平和と生活を守る闘いを続けている沖縄ですが、福島の現状に大いに心を痛め、支援を強化したいとの有難い申し出を受けています。また、JA新ふくしまさん等と協働して、福島応援隊として、福島の果樹・農産物の拡大のために努力してきましたが、地域経済の再生と、協同組合間の連携の活動として大きな意義を有するものと考えています。
コープふくしまの組合員数は、3月時点で18万5327人と、この4年間で1万730人が増えており、さらにこの4‐5月で1110人が増加し、80年を超えるコープふくしまの歴史上、最大の組合員数となっています。その力で、事業経営でも、この4年間で、約17億円の当期剰余金を達成しています。震災後当初は、全国からの支援や、損害賠償によるものもありましたが、2014年度は、自力で約6億円の経常剰余金となっていることは、今後に確信を持たせます。何よりも、全国の支援とともに、組合員の皆さんと従業員の積極的な活動が、その原動力と考えています。
しかし、国政の動向を見ると、昨年7月の閣議決定で、従来の解釈を変更して、集団自衛権行使も憲法違反ではないということで、憲法改正をするのではなく、解釈で事実上、憲法を変更し、それを具体化する法案を、短期間に、国民に十分な納得の時間を与えないまま、一括して国会の多数で通過させようとしています。世論調査では、多くの国民は反対の意見を表明しています。与党が推薦した参考人の憲法学者まで、「憲法違反」だと言わざるを得ない異常な状況がつくられています。憲法の下でつくられている内閣が、憲法を無視する、「憲法が大事か、国民の命が大事か」という議論のすり替えをして、無理を通そうとしています。
今年8月15日は、戦後70年を迎えます。長い間かけて積み重ねてきた、憲法に基づく平和な生活、健康で文化的な生活の保障、まさに生協が追求してきたものを、潰させてはならないと思います。戦前、辿った道を繰り返してはならないと思います。
しかし、戦前とは異なるのは、現憲法の下では、国民の多数の意思で政治の方向を決めることができることです。そのためにも、現在、組合員数は住民の3分の1程度ですが、この組合員の輪を、さらに広げていくことが重要と思います。
今日の総代会を契機に、団結して、さらにコープふくしまの活動を前進させる決意を新たにして、挨拶に代えさせて頂きます。ありがとうございました。