コープふくしま入所式での理事長挨拶(2015年4月1日)

 今日から、「生活協同組合コープふくしま」の職員になられた6名の皆さん、おめでとうございます。
 コープふくしまで働いている1200名以上の職員を代表して、心から歓迎します。
 皆さんは、長い学校生活を卒業して、今日から社会人として働くことになりますが、皆さんの人生にとっても、大きい意義のある日と思います。
働くということは、生活していくための経済的手段を得るということですが、それだけではなく、働くことを通じて社会の役に立つことだと思います。働くことのやりがいがなければ、続けることはできません。毎日の仕事は、繰り返しのように見える時もありますが、働くことの意義を確認しながら続けて欲しいと思います。
 普通の会社と、私たちの生協は、形の上では、似ていることも多いですが、その違いもきちんと理解しておいてほしいと思います。
 大きな違いは、株式会社は、基本的には儲け(利潤)を目的にしています。どのようにしたら会社や株主の資産を増やすかに大きな目的がありますが、生協の場合は、基本的には組合員の生活を守るために協同するもので、消費生活協同組合法という法律に基づいて作られています。組合員が2000円や4000円等出資して、組合員自身の生活を守る事業を行っています。事業方針も、組合員の意見に基づいて作られます。6月の定例の総代会のために、方針検討会が開かれています、それは端的に、「一人は万人のために、万人は一人のために」のスローガンの実行です。
 コープふくしまは、県北・県中・相双・いわきを中心に、11のお店、さらに共同購入(配達)の事業等を行っていますが、その組合員(世帯数)は、18万5千人になっており、毎年3000人ほどの増加をみています。全体の売上高も約210億円になっています。
 コープふくしまは、全国の生協の中でも2番目に長い歴史をもっていて、戦争前の1932年7月5日に発足しています。83年近い歴史を持っています。
長い歴史の中で、経営的に苦しい時もあり、働いている職員の皆さんの待遇が、他企業と比べて十分とはいえませんが、職員や組合員の頑張りで、経営状況が改善されてきており、職員の待遇の改善の実現に向けて努力しているところです。
 東日本大震災から4年が過ぎ、5年目に入っていますが、コープふくしまにとっても建物はじめ大きな被害を受けました。しかし、全国の生協の応援もあり、早期に回復し、組合員・住民の生活を守るための活動に取り組んできました。特に、福島に住み続ける組合員・住民のために、様々な不安に真正面から取り組んできました。特に、放射線から健康や生活を守るということで、除染活動、食事調査、外部被ばく検査、さらに福島の農産物の普及のための活動などです。環境省や県庁などでも、コープふくしまの食事調査の結果について、最も重要な資料として取り上げています。
 社会に貢献するものとして「賞」も受けましたが、一人一人の努力によって、社会的役割を果たせていることを、是非理解しておいてほしいと思います。
 仕事は、最初から上手くいくものではありませんが、分からないことは周りの職員に、率直に聞いて、頑張ってほしいと思います。皆さんの若々しい発想やエネルギーによって、コープふくしまも成長したいと思っています。惜しみなく、力を発揮されることを期待して、入所にあたっての歓迎の言葉としたいと思います。
 おめでとうございます。