2018年・年頭の挨拶(コープふくしま理事長)

協同の力で、平和で健康な生活を守り、
さらに前進しましょう!
                    理事長  今野 順夫

 新年あけましておめでとうございます。
 2018年を迎えて、皆さまのご健康とご多幸を、心からお祈りしています。

 昨年は、日本国憲法が施行されてから70年を迎えた年ですが、戦争と平和をめぐる世界的な大きな動きがありました。
 1月20日アメリカ第45代大統領に、ドナルド・トランプが就任しました。トランプ大統領は、就任1週間後には、イラク、イラン、リビアソマリアスーダン、シリア、イエメンの全国民の入国を90日間禁止する大統領令を発しました。さらに自国の利益を最優先する政策を次々に展開してきました。
 他方、北朝鮮弾道ミサイルの発射実験は、国連による強い非難にもかかわらず、それを無視して継続され、日本国民に対する強い不安をもたらしています。
 北朝鮮に対する制裁ということで。トランプ政権は、対話による平和的解決の声にもかかわらず、軍事演習の強化など、危険な対応を継続しています。日本政府も、平和的な対話、国際的解決の追求ではなく、アメリカの兵器購入による防衛体制の強化へと向かっており、そのことが社会保障の削減にも結びついています。また、総選挙の結果、憲法9条改正問題が、クローズアップしています。

 こうした平和に対する危機の増大に対抗して、核兵器の全廃絶と根絶を目的として核兵器禁止条約が、7月7日に、122ヵ国・地域の賛成で採択され、発効を目指す取り組みが進んでいます。この条約は、日本の被爆者団体も、強く要求してきたものであり、国際的核廃絶キャンペーン団体のICANが、ノーベル平和賞を受賞しました。受賞の式典には、日本の被爆者も演説することになっており、また文学賞のイシグロ氏も、母親が長崎で被爆しており、核兵器廃絶に大きな賛同を寄せています。
 私たちは、平和を希求し核廃絶の運動に大きな確信をもって、運動を継続する必要があると思います。

 大震災・原発被災から7年が経とうとしていますが、避難者を含め個々人の「人間らしい生活の回復」は遅々として進んでいません。避難解除の中で、新たな困難にも直面しています。
コープふくしまは、仮設住宅や復興公営住宅の皆さんへのサロン活動等の支援、食事調査(陰膳方式)、地元の農産物等の全国的普及のための応援など、ふくしまの復興のための先進的な活動を展開してきました。組合員も約19万5千人と、震災の時点から大きく前進しました。今年は、みやぎ生協や県南生協との組織合同について判断すべき年ですが、コープふくしまの成果をさらに発展させ、組合員の生活を守る活動が前進できるよう、積極的な取組みが求められています。

 地域社会の中で孤立化が進行している時だからこそ、「一人は万人のために、万人は一人のために」のスローガンの意義は、ますますその光を増しています。

 新年が、新たな前進への確実な第一歩となることを、期待しています。

2018年 元旦