協同の輪を広げ、さらに前進しましょう

            生協コープふくしま理事長 今野順夫

 新年あけましておめでとうございます。
 2017年を迎えて、皆さまのご健康とご多幸を心からお祈りしています。

 1947年5月3日に施行された新憲法日本国憲法」が、70年を迎える年です。国民主権恒久平和主義、基本的人権尊重を柱として誕生した日本国憲法は、様々な攻撃を受けながらも、多くの国民の支持を得て、今日に至っています。

 まさに人権が否定された原発被災など、憲法の理念が生かされてきたとは言い難い面もありますが、人間らしい生活の回復を勝ち取るための根拠として、大きな役割を果たしていることも否定できません。国民の多くの反対にもかかわらず、強行的に採決され施行された安保法に基づき、海外への自衛隊の派兵が進行していますが、それに対抗して平和を守る憲法9条の意義がますます重要になっています。

 生活協同組合運動は、憲法にもとづく「平和な生活」、「健康で文化的な生活」の保障を具体化するものであり、憲法の先進的な理念に学び、さらに前進しなければなりません。

 大震災から6年が経とうとしていますが、未だに8万人を超える県民が県内外で避難生活を送っており、個々人の「人間らしい生活の回復」は遅々として進んでいません。
しかし、この間のコープふくしまの活動は目覚ましいものがありました。放射線の被害から食生活を守るための食事調査(陰膳方式)はじめ、仮設住宅等への支援、地元の果物等の全国的普及のための応援など、ふくしまの復興のための先進的な活動を展開してきました。
 県人口減少の中で、コープふくしまの組合員が大きく増え、19万人を超して20万人をめざす取り組みに入っています。この中で、みやぎ生協や県南生協との組織合同の協議が開始していますが、コープふくしまの成果をさらに発展させ、組合員の生活を守る活動が前進できるよう、積極的な取組みが求められています。

 また、要求に基づく組合員活動が活発に取り組まれ、協同の喜びと生活に勇気を与えており、「コープ・カレッジ」など「学ぶ」活動も広く展開され始めています。事業活動の面でも、着実に成果を上げつつあります。これは、組合員の皆さん、職員の皆さんの大きな尽力の結果です。この前進に確信をもって、さらに協同の輪を広げながら前進したいと思います。

 地域社会の中で孤立化が進行している時だからこそ、「一人は万人のために、万人は一人のために」のスローガンの意義は、ますますその光を増しています。

 新年が、新たな前進への確実な第一歩となることを、期待しています。

2017年 元旦

            (協働のうから NO.593)