コープふくしま理事長就任に際しての職員へのあいさつ

 コープふくしま職員の皆さんへ

 この度、ベテラン理事長・八島さんの後を引き継ぎ、理事長に就任しました今野です。創設以来80年の歴史と伝統をもち、約17万5千人の組合員の大組織・「コープふくしま」の重責を担うことになり、非力の身を省みつつ緊張しています。よろしくお願いします。

 昨年来、私たちは、かつて経験したことのない大惨事のもとにおかれました。大地震の被害、大津波の被害、そして原発事故の被害、まさに未曾有の広域的な複合的災害でした。

 あの戦後最大の大惨事といわれた17年前の阪神・淡路大震災に比しても、3倍以上にもなる2万人に近い死者及び行方不明者を出し、多くの方々が住居や職場を失いました。

 3月11日のその時、私は、本部内会議室での定例理事会に出席しており、あまりの揺れの大きさに動転して、わが身を守ることに精一杯でしたが、店舗の外に出ると、コープ職員の皆さんが、高齢者等組合員さんの手をつないで店外に誘導し、心身の動揺を抑えるべく献身的な活動をしていることを見て、大きな感動を受けました。

 その日から、様々な危険を眼の前にしながら、浜通りも含む宅配の業務、各店舗での安全確保と臨時の販売業務等に立ち向かい、被災地住民の生活を直接支えるものとして大きな役割を果たしました。また放射線に汚染された環境を復旧させるための除染活動の先頭に立ち、さらに食品の安全を求める具体的・科学的な行動について、行政及びマスメディア等も含め、地域社会の大きな評価を得てきました。私が知らない、その他の無数の活動があったと思います。これらの活動も、それを可能としたすべての職員の皆さんの、各部署での地道に支える活動があってこそ、コープふくしま全体としての力を発揮できたと考えています。

 生協活動は、「一人は万人のために、万人は一人のために」と言われてきましたが、この協働の理念の重要性を、この不幸な震災の中で確認させられたし、今後の社会のあり方として、確信を持たせてくれました。

 今後も、思わぬ災害のみならず、経済的な困難にも直面せざるを得ないかもしれません。TPPの問題や、消費税の増税の問題も、私たちの生協活動に大きな問題を生み出すことだろうと思います。その困難を打開するのは、まさに協働の力だと思います。

 生協は、組合員によって支えられているということが、最も基本であるし、最も有利なことです。それゆえ、組合員を拡大し、組合員同士の連携を強化し、それを繋ぐ要としてのコープ職員の活動の強化が、コープふくしまの発展の最大の保障だと思います。

 福島県民は、昨年来の心身の疲れを癒す暇もなく、困難な中、復旧・復興の活動に立ちあがっています。コープふくしまの皆さんも、心身の健康に十分に配慮しながら、協働の輪を広げ、発展させる、やりがいのある仕事に、共に頑張りましょう。

 以上、理事長就任にあたり、職員の皆さんへのご挨拶とさせていただきます。