新春の挨拶(コープふくしま理事長)

平和で健康な生活を守り、さらに前進しましょう!
                          理事長  今野 順夫
 新年あけましておめでとうございます。
 2016年が、皆さまのご健康とご多幸の年になることを、心からお祈りしています。

 大震災から4年を経て5年目を迎えていますが、復興の歩みは遅々としており、10万5千人を超える避難者が故郷に帰ることも出来ない状態が、いまだに続いています。また避難していない方々も、様々な精神的・経済的困難と向き合いながらの生活が続いています。復興集中期間の終了ということで、被災地の避難解除、帰還が迫られていますが、避難者の人間らしい生活の回復こそが緊急に必要なことと考えます。
人間らしい生活が一瞬にして奪われ、これほど長期にわたり耐え難い生活を余儀なくされていることは、個人の尊重、健康で文化的な生活を保障する憲法にも、相反するものと言わざるを得ません。

 昨年は、第二次世界大戦が終わり、日本が平和国家の建設に向かった1945年から数えて70年になる年でした。しかし、憲法9条を改正しない限り不可能だとしてきた従来の政府見解を無視して、内閣の解釈の変更に基づき、集団的自衛権を行使する安保法案(戦争法案)を強行採決しました。これによって日本への攻撃が無いにもかかわらず、米軍等とともに参戦する可能性を広げました。
 戦後、憲法9条の下に、戦争による加害・被害を避けることができた日本の平和主義は、憲法を無視する安倍内閣によって破壊されようとしています。憲法に基づいて政治をおこなうという立憲主義を否定し、憲法を破壊する行為と言わざるを得ません。
 平和な生活を守るため、コープふくしまは、他の協同組合との協同の署名運動等、活発に展開し、全国的な反対運動の大きなうねりを作りあげるひとつの役割を果たしてきました。平和な生活は、人間らしい生活の前提です。諦めることなく、戦争を行うあらゆる企てに、ひとつひとつ対抗し、さらに広げていくべきと思います。

生活協同組合運動は、戦後の厳しい生活を支えるために大きな役割を果たしてきました。コープふくしまも、平和な生活、健康な生活を守るために、協同の力で前進してきました。
 これらの成果に立って、健康かつ平和な生活を実現していくためには協同の輪をさらに広げることが大切です。現在、コープふくしまには住民の3分の1の方々(約19万人)が参加していますが、多くの住民が参加のよびかけを待っていると思います。大多数の方々との協同が、私たちの生活を守ることを確実にします。
 「一人は万人のために、万人は一人のために」のスローガンの意義は、地域社会の中で孤立化が進行している時だからこそ、その光を増しています。

 この間、避難者支援のボランティア活動、要求に基づく組合員活動が活発に取り組まれ、協同の喜びと生活に勇気を与えていますが、事業活動の面でも、着実に成果を上げつつあります。これは、組合員の皆さん、職員の皆さんの大きな尽力の結果です。この前進に確信をもって、さらに協同の輪を広げながら前進したいと思います。

 新年が、新たな前進への確実な第一歩となることを、期待しています。

2016年 元旦