大相撲の八百長事件

 大相撲・春場所は、八百長事件で、中止を決定。60数年ぶりのことらしい。不祥事では初めて。信頼の回復は、どのようになされるかは難しい問題。
 国技といわれつつ、その伝統を守ることの故に、前近代的な制度が、現代的社会構造に合わなくなって来ているのではないだろうか。
 力士の権利と責任を明確にしなければ、なかなか自律が確立できないのだと思う。プロ野球選手会が、労働組合法上の労働組合として認められ、選手の権利と自覚が高まっているように感ずる。相撲も、サッカーも、その他のプロサッカーも、選手たちの権利を認め、集団的権利を認めることが、自覚を高める。不祥事を許さない民主主義的な環境を作る必要があるのではなかろうか。
 野球・サッカーなどは、グローバルな人の動きがあり、日本の伝統だけでは通用しない。伝統的な国技たる相撲は、グローバルでないが故に、なかなか共通の民主主義的な自律が確立できないのだろうか。
 単なる厳しい処分だけでは、正常化の見通しは困難と思えるが、今後の展開に注目。
 他のものにも通ずるが、「日本的なもの」の克服すべきものと、受け継ぐべきものを、グローバルな視点で腑分けしていく必要があるのではなかろうか。