230831 ケーメックス事件

  (東京地裁平23.8.31判決・労働判例1038-68)

1.被告Y社の給与規程においては、Y社がその業績および従業員の人事考課等に基づいて賞与支給額を決定するものであり、その決定においては従業員の合意を求めることその他従業員の関与を経ることは要件となっていないから、従業員から確認・承諾書の提出をさせたとしても事実上の手続きであって慣行的に行われているものであり、本件各賞与の支給額を通知した時点で確定していたとされた例

2.原告X1組合の組合員である従業員X2らの賞与請求について、Y社とX1組合との協定書の締結自体が賞与の支給要件になっていたものと解することはできないとされ、X2ら組合員の賞与支払い請求が認容された例

3.賞与協定の締結に当たって、Y社が、今後異議を申し立てない旨の確認条項を加えた協定書の締結を求め続けた行為は、使用者の交渉態度として違法なものとはいえないとされ、X1組合からY社に対する損害賠償請求が棄却された例