「市民・地域共同発電所全国フォーラム2017」挨拶

 ☆挨拶(実行委員長/今野順夫)

 「市民・地域共同発電所全国フォーラム2017」にお集まりいただき、有難うございます。
 本フォーラムは、2002年から各地で開催され、今回は9回目ですが、はじめて東北・福島の地で、開催することになりました。遠路はるばる、お出でいただき有難うございました。
 福島は、3.11大震災の中で、特に原発事故の被災で、6年半が過ぎたが、いまだに復旧・復興ができていません。
 福島県の報告でも、県外・全国への避難者数は9月段階で3万4870人、県内の避難者は1万9696人、合わせて、約6万5000人ちかくの県民が避難を継続しています。実態は、さらに多いと思われます。
 こうした長期の、広域的避難の中で、多くの犠牲者を出しました。震災関連死(原発被災関連死)は、2184人にもなり、津波等での直接死の1605人の136%にもなっています。住んでいるところを一瞬にして追われ、6年半たっても帰れないなかで、希望を失い、自ら命を絶った事例も少なくありません。
 こうした原発被災に直面して、福島県の「復興ビジョン」の基本理念は、「原子力に依存しない、安全・安心な持続的に発展可能な社会づくり」を掲げました。
 具体的には、「再生可能エネルギーの飛躍的推進による新たな社会づくり」を掲げています。「再生可能エネルギー先駆の地」アクションプランを掲げ、2040年後頃を目途に、県内エネルギー需要の100%相当以上の、再生可能エネルギーを産み出すことを目標に歩んでいます。
 こうした取組みが提起されていますが、それが地域経済を発展させるような、地域住民に還元されるような方法で展開されることが必要であると指摘されています。これこそが、本日からの「市民・地域共同発電所全国フォーラム:のめざすものと考えています。参加者の皆様には、この機会に福島の現状を見ていただき、ご指導をいただきたいと思います。
 なお、このフォーラム開催にあたり、福島市には大きな支援を受けています。市制110周年記念行事としても位置付けていただきました。市長さんもお出でいただいていますが、心より感謝申し上げたいと思います。
 このフォーラムが、次の新しいステップになることを期待して、挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。