コープふくしま新年の挨拶

 協同の力で、「健康で文化的な生活」、「平和に生きる」権利の実現を!
                      理事長  今野順夫

 新年あけましておめでとうございます。
 2014年が、皆様にとって、ご健康とご多幸の年になることを、心からお祈りしています。

 悪夢のような東日本大震災から、3年が過ぎようとしていますが、復興の歩みは遅々として進んでいません。復興が遅いだけでなく、新たに汚染水問題が発生し、避難生活の中での犠牲も増幅しています。
 特に最近は、被災3県の中で、宮城県岩手県と比較しても、福島県における復興の困難さが浮き彫りになり、復興過程における格差が顕著になっています。このことは、原発被害からの回復が、極めて困難であることを明らかにしています。

 大きな困難に対して、黙々と立ち向かうことは大事ですが、被災地としては、その被害の実相を広く伝える責任があるのではないかと思います。全国的に忘れ去られ、風化しつつあるといわれますが、そうした事実に対して、それを打ち消す発信を強化する必要があると思います。生協の全国的ネットワークをもつ私たちは、大変有力な武器を持っています。原発被害の実相についての、全国への絶えざる発信が、原発再稼働に対抗する最も有力な手段だと思います。

 震災復興の見通しの困難さの中で、4月からの消費税引上げによる生活困難も予測されます。また多くの国民の反対や慎重審議の声にもかかわらず採決が強行された特定秘密保護法によって民主主義破壊の危惧が現実化し、さらに憲法の改訂問題がクローズアップしてきています。
これに対して「健康で文化的な」生活を営む権利、「平和に生きる」権利等々、憲法で定められている権利を、協同の力で具体的に実現していくのが生協の役割と思います。

 コープふくしまは、地域住民の消費活動を支援するとともに、地域社会の除染活動、食物の安全性の科学的検査、内部被ばく検査、仮設住宅への支援などを積極的に展開して、地域社会・地方自治体等からも大きな評価を受けてきましたが、さらに進めていきたいと思います。

 組合員同士の協同、組合と職員の協力を強めるとともに、住民の圧倒的多数の方々に呼びかけて、コープふくしまの輪を飛躍的に大きくすることが必要になっています。そのことが、組合員の生活、地域住民の生活を守る具体的な力となることは明らかです。

 新年が、輝かしい第一歩になることを、期待しています。

  2014年 元旦