いじめ・パワハラ

 先週の研究会で、友人の水谷英夫弁護士から、『職場のいじめ・パワハラと法対策(第3版)』(民事法研究会)をいただいた。
 忙しい弁護士業務とともに、精力的な著述活動には、頭が下がる。
 2008年に出版して、毎年、版を改めるほど、新しい判例や事案が出ているようだ。
 学校で、いじめ問題があったときから、それは大人の社会ー職場の縮図・反映だと思ってきた。大人の世界にないことが、子どもの世界だけにあるとは思えないから。
 民間にしろ、公務員にしろ、メンタルヘルスの問題が深刻な状況になってきている。精神的な病気で、休職や退職する人は、増加している。成果主義・人事評価が強調されてから、特に、その増加に拍車をかけている。人件費削減のため、非正規雇用を増大させていることも、その原因の一つであろう。
 「人を雇う」ことの意味、単に働く機械としてではなく、その人の全生活がかかっていることを、企業主は、肝に銘じなければならない。また、労働者の連帯の希薄さが、その原因である。地域社会でも「弧族」の問題が指摘されているが、職場や学校という部分社会でも同じであろう。労働組合の衰退との関連をもつが、労働組合の強化という題目だけでなく、労働者の連帯(絆)の回復の方策について、真剣に考えなければならないと感じている。